ソフトバンク小久保ヘッドに聞いた6月の”打線低迷” 選手に話していることは
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2021/06/25 20:00
リーグ連覇を目指すソフトバンクが6月は借金を抱えて苦しんでいる。26日時点で5勝9敗6分け。最大の原因は5月末からの交流戦(18試合)で12球団ワーストの打率.233に沈んだ打線で、リーグ戦再開後の2カード目から「3番柳田」「4番栗原」でテコ入れを図った後も乱高下を繰り返している。小久保ヘッドコーチがTNC「福岡NEWSファイルCUBE」の取材に応じ、ここまでの6月を振り返った。(取材日=24日)
◇ ◇ ◇
<交流戦で低迷した打線の状態がリーグ戦再開後も戻らない。交流戦前の48試合と交流戦18試合を比べるとチーム打率は.264→.233、得点圏打率も.285→.250へ低下。開幕カードの中日戦で柳、小笠原に苦戦しいきなり連敗、次カードの巨人戦で立て直したかに見えたが勢いは続かなかった>
まだ数試合残っているが、ここまでは非常に苦しい、6月というよりは交流戦に入ってから。最初の中日戦からスタートして、そのときの相手投手のレベルの高さもあったが打線の状態が一気に落ちた。頑張っている投手に迷惑をかけている。個々の調整はレギュラーと若手、いろいろあるが、打線全体が落ちるのはそうない。6月は全体的にレギュラー陣の状態が落ちたなという感じがしている。
<6月は主力がそろって不調に陥っている。5月→6月(25日現在)の月間打率比較で柳田は.319→.227、栗原は.311→.214、中村晃は.333→.164。好調だった牧原大の離脱後に三森、リーグ戦再開後は柳町と入れ替えた谷川原を昇格即スタメン起用するなどしたが、彼らが打っても主軸が停滞するケースも目立った>
けが人はある程度仕方ないと思うが、レギュラーとしてやっていたグラシアルが抜ければまるまるポジションが空く。そういう時にファームの推薦選手、非常に打撃の状態がいい選手を積極的に呼び寄せてすぐ使ったりはしたが、それが打線全体の起爆剤になるかというとそうではない。基本的には中心選手、クリーンアップを任せている選手がある程度仕事をしないとなかなか得点力は上がってこない。チームとしての対策、あるいは個人としての対策を僕も立ててミーティングに臨むが、一番は僕自身も含め少し打てないことに対して暗くなっていたところがある。勝ちたいのはみんな同じだし、やるべきことをやっても結果が出ないこのフラストレーションを逆に元気の良さで前向きにという思いで、ここ数試合は戦っている。
<過去の交流戦では勝つことが当たり前のように優勝(1位)を重ねてきただけに、今年は負けたことのインパクトが大きかった。ファンの動揺も大きいようだが、そうした周囲の雰囲気を小久保ヘッドも感じているのだろうか>
感じているというか、全部ネットとかも見ているので。僕の批判記事は喜んで拝見させてもらっています。野手の部門で今、かみ合っていないことには当然責任を感じている。ただ思い返してほしいのは、去年もぶっちぎりの優勝に見えるけど、東浜が投げた(10月の)ロッテ戦で負ければ順位が入れ替わっていた。いま選手たちに話しているのは、幸いにもこの打線の状態がまだ今の時期、まだシーズン半分だということ。まだ半分あるよという話をしている。いろんな記事を目にするが動じることはない。この先チームが良くなるにはどうしたらいいかというところだけに焦点を当てて、選手たちには話している。
<もともとベンチで声を出す選手が多く、ベンチからも相手チームを圧倒してきたソフトバンク。しかし6月は負けが込んだこともあり、無観客試合のペイペイドームでは相手チームの声が響き渡る試合もあった>
暗くしながら(プレー)しても1試合、カラ元気を出しても1試合、どっちみち状態が悪いならカラ元気の方がいい。今はそういう感じでやっている。福岡も緊急事態宣言中ということで、暗いムードの中にお客さんがいないというのはこたえました。正直どんよりとした、音のない中で悪い空気を打破するのはなかなか難しいなというのを感じながらやらせてもらった。今回(22日からのロッテ戦で)千葉に行って、久しぶりにお客さんが入った中で試合をしたら、松田なんか一番イキイキとしている。彼はやっぱりファンがあっての選手なんだなと改めて感じています。
<苦境打開を模索する中で、ベンチが動いたのが22日のロッテ戦だった。5月上旬のグラシアル離脱後は4番に固定してきた柳田をそれまでのメインだった3番に戻し、栗原を4番に据えた>
僕が(現役時代に)王監督(現球団会長)の下でやらせてもらった「4番としてのこだわり」を持ちすぎてもよくないかな、と。実際にチームも機能していなかった。調子が悪いから4番を外すわけではなくて、柳田の後ろを打つ選手の状態が上がってこなくて、中村晃もなかなか上がってこなくて、長谷川も全試合スタメンは難しいというところで、柳田の後ろは勝負強い栗原を置くほうがいいんじゃないかという提案があったので、そうしてみましょうと。
<明るい材料が少ない中で光ったといえるのが三森、谷川原だった。三森は4日の昇格後は主に1番で出場しプロ初の4安打を含め複数安打がすでに5試合。谷川原は19日に昇格即プロ初出場初スタメンで初本塁打をマークした>
われわれも毎日映像は見ているが、ファームから好調ということで推薦で上がってきた選手は上げたらすぐ使ってあげるのがベストだというのが僕の考え方。いい時に使ってあげよう、と。初めて見る投手で苦労はするでしょうが、本人が今持ってるものをゲームで発揮してほしい。
(TNC「福岡NEWSファイルCUBE」26日オンエアより/取材=内藤賢志郎)
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<交流戦で低迷した打線の状態がリーグ戦再開後も戻らない。交流戦前の48試合と交流戦18試合を比べるとチーム打率は.264→.233、得点圏打率も.285→.250へ低下。開幕カードの中日戦で柳、小笠原に苦戦しいきなり連敗、次カードの巨人戦で立て直したかに見えたが勢いは続かなかった>
まだ数試合残っているが、ここまでは非常に苦しい、6月というよりは交流戦に入ってから。最初の中日戦からスタートして、そのときの相手投手のレベルの高さもあったが打線の状態が一気に落ちた。頑張っている投手に迷惑をかけている。個々の調整はレギュラーと若手、いろいろあるが、打線全体が落ちるのはそうない。6月は全体的にレギュラー陣の状態が落ちたなという感じがしている。
<6月は主力がそろって不調に陥っている。5月→6月(25日現在)の月間打率比較で柳田は.319→.227、栗原は.311→.214、中村晃は.333→.164。好調だった牧原大の離脱後に三森、リーグ戦再開後は柳町と入れ替えた谷川原を昇格即スタメン起用するなどしたが、彼らが打っても主軸が停滞するケースも目立った>
けが人はある程度仕方ないと思うが、レギュラーとしてやっていたグラシアルが抜ければまるまるポジションが空く。そういう時にファームの推薦選手、非常に打撃の状態がいい選手を積極的に呼び寄せてすぐ使ったりはしたが、それが打線全体の起爆剤になるかというとそうではない。基本的には中心選手、クリーンアップを任せている選手がある程度仕事をしないとなかなか得点力は上がってこない。チームとしての対策、あるいは個人としての対策を僕も立ててミーティングに臨むが、一番は僕自身も含め少し打てないことに対して暗くなっていたところがある。勝ちたいのはみんな同じだし、やるべきことをやっても結果が出ないこのフラストレーションを逆に元気の良さで前向きにという思いで、ここ数試合は戦っている。
<過去の交流戦では勝つことが当たり前のように優勝(1位)を重ねてきただけに、今年は負けたことのインパクトが大きかった。ファンの動揺も大きいようだが、そうした周囲の雰囲気を小久保ヘッドも感じているのだろうか>
感じているというか、全部ネットとかも見ているので。僕の批判記事は喜んで拝見させてもらっています。野手の部門で今、かみ合っていないことには当然責任を感じている。ただ思い返してほしいのは、去年もぶっちぎりの優勝に見えるけど、東浜が投げた(10月の)ロッテ戦で負ければ順位が入れ替わっていた。いま選手たちに話しているのは、幸いにもこの打線の状態がまだ今の時期、まだシーズン半分だということ。まだ半分あるよという話をしている。いろんな記事を目にするが動じることはない。この先チームが良くなるにはどうしたらいいかというところだけに焦点を当てて、選手たちには話している。
<もともとベンチで声を出す選手が多く、ベンチからも相手チームを圧倒してきたソフトバンク。しかし6月は負けが込んだこともあり、無観客試合のペイペイドームでは相手チームの声が響き渡る試合もあった>
暗くしながら(プレー)しても1試合、カラ元気を出しても1試合、どっちみち状態が悪いならカラ元気の方がいい。今はそういう感じでやっている。福岡も緊急事態宣言中ということで、暗いムードの中にお客さんがいないというのはこたえました。正直どんよりとした、音のない中で悪い空気を打破するのはなかなか難しいなというのを感じながらやらせてもらった。今回(22日からのロッテ戦で)千葉に行って、久しぶりにお客さんが入った中で試合をしたら、松田なんか一番イキイキとしている。彼はやっぱりファンがあっての選手なんだなと改めて感じています。
<苦境打開を模索する中で、ベンチが動いたのが22日のロッテ戦だった。5月上旬のグラシアル離脱後は4番に固定してきた柳田をそれまでのメインだった3番に戻し、栗原を4番に据えた>
僕が(現役時代に)王監督(現球団会長)の下でやらせてもらった「4番としてのこだわり」を持ちすぎてもよくないかな、と。実際にチームも機能していなかった。調子が悪いから4番を外すわけではなくて、柳田の後ろを打つ選手の状態が上がってこなくて、中村晃もなかなか上がってこなくて、長谷川も全試合スタメンは難しいというところで、柳田の後ろは勝負強い栗原を置くほうがいいんじゃないかという提案があったので、そうしてみましょうと。
<明るい材料が少ない中で光ったといえるのが三森、谷川原だった。三森は4日の昇格後は主に1番で出場しプロ初の4安打を含め複数安打がすでに5試合。谷川原は19日に昇格即プロ初出場初スタメンで初本塁打をマークした>
われわれも毎日映像は見ているが、ファームから好調ということで推薦で上がってきた選手は上げたらすぐ使ってあげるのがベストだというのが僕の考え方。いい時に使ってあげよう、と。初めて見る投手で苦労はするでしょうが、本人が今持ってるものをゲームで発揮してほしい。
(TNC「福岡NEWSファイルCUBE」26日オンエアより/取材=内藤賢志郎)
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