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5歳児餓死 母親に懲役5年の判決 “ママ友”による「心理的支配」を認定 福岡地裁

暮らし

2022/06/17 15:10

2020年、福岡県篠栗町で当時5歳だった男の子が餓死した事件の裁判で、6月17日、福岡地裁で被告の母親の判決公判が開かれ、懲役5年の判決が言い渡されました。

起訴状によりますと篠栗町の無職・碇利恵被告(40)は2020年4月、知人の赤堀恵美子被告(49)と共謀し当時5歳の三男翔士郎ちゃんに十分な食事を与えず餓死させたとして、保護責任者遺棄致死の罪に問われていました。

碇被告はいわゆるママ友だった赤堀被告に支配されていたと主張していますが、検察側は「支配されていたとしても量刑を減ずる事情ではなく子供を守る行動を放棄した」などと懲役10年を求刑していました。

一方、弁護側は赤堀被告からの心理的な支配を受け、「行動選択の幅が狭まった」と主張し、執行猶予付きの判決を求めていました。

そして17日、白いシャツで法廷に現れた碇被告に判決が言い渡されました。

◆冨田敦史裁判長
「主文被告人を懲役5年に処する」

その時、碇被告は、まっすぐと裁判長を見つめ、判決に聞き入っていました。

17日の判決で冨田敦史裁判長は、赤堀被告による「心理的支配」を認定。

その上で、

◆冨田敦史裁判長
「数々の嘘によって経済的に搾取され、心理的に支配され生活全般を支配された被害者としての側面があり、これが犯行に及んだ主な要因となっていた。そうすると、犯行に及んだ被告人の意思決定を非難することができない。自分の楽しみを優先して、子供を虐待、放置した事件とは責任の度合いが異なる」

などとして、碇被告に対し懲役5年の実刑判決を言い渡しました。

そして、裁判の最後にはー

◆冨田敦史裁判長
「裁判員と話していた中で碇さんに話したいことがあります。聞きたくないなければやめますがどうですか?」

◆碇被告
「聞きたいです」

◆冨田敦史裁判長
「どこにいてもお子さんの母親であることは変わりません。罪を償って社会に戻ったら子ども達の成長に寄り添える日が来ることを願っています。その日を目標にこれからの日を強く生きてほしいです」

裁判長からの言葉に碇被告は「ありがとうございました」と一礼し、法廷を後にしました。

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