2022/08/26 15:00
5歳児餓死 母親のママ友「嫌われるのが怖くて仲良くしていた」 “支配”否認し無罪主張 福岡地裁
暮らし
2022/08/29 16:33
2020年に福岡県篠栗町で当時5歳の男の子が十分な食事を与えられずに餓死した事件をめぐり、男の子の母親の“ママ友”で、保護責任者遺棄致死罪などに問われている女の裁判員裁判の初公判が、8月29日に福岡地裁で開かれ、女は起訴内容を全面否認し無罪を主張しました。
◆記者リポート(福岡地裁、29日)
「現在午前9時前です。注目のママ友・赤堀被告の裁判初公判の傍聴券を得ようと、かなり多くの人が裁判所に訪れています」
開廷1時間前、初公判で用意された一般傍聴席24席に対し、10倍を超える263人の希望者が集まりました。
落ち着いた様子で法廷に入ってきた被告は、紺の長袖・長ズボン姿で、白髪混じりの長い髪は後ろで束ねていました。
◆裁判長と赤堀被告のやりとり
裁判長「名前は?」
赤堀被告「赤堀恵美子です」
裁判長「いくつですか?」
赤堀被告「49歳です」
保護責任者遺棄致死などの罪に問われている篠栗町の無職・赤堀恵美子被告(49)ー。
起訴状などによりますと、2020年4月、実質的に生活全般を支配していたママ友の碇利恵被告(40)と共謀し、碇被告の三男で当時5歳だった翔士郎ちゃんに十分な食事を与えず餓死させた罪に問われています。
赤堀被告はさらに「夫が浮気をしている」などと碇被告に様々な嘘を吹き込み、浮気の調査費などとしてあわせて約200万円をだまし取るなどした罪にも問われています。
初公判の冒頭で赤堀被告は裁判長の問いかけに対してー
◆裁判長と赤堀被告のやりとり
裁判長「まず最初に翔士郎ちゃんが亡くなった保護責任者遺棄致死について聞きます。内容はわかっていますか?」
赤堀「はい」
裁判長「この内容について言いたいことはありますか?違っているところはありますか?」
赤堀「指示はしていません」
裁判長「詐欺や窃盗についてはどうですか?」
赤堀「違います。お金を騙し取ったということはないし、窃盗の件も頼まれておろしてきたのでそこも違います」
赤堀被告はボソボソとした小さな声で起訴内容を“完全否認”しました。
これに対して検察側は、赤堀被告が元夫との裁判に勝つためと嘘をついて碇被告が質素な生活を送るようルールを定め、ボスと呼ばれる第三者の存在を信じ込ませて差し入れの食事のみで経済面を管理するようになったと指摘しました。
そのうえで検察側はー
◆検察側
「低栄養状態の翔士郎ちゃんを確認したにも関わらず食事の提供をやめ、何も食べたりしないよう『ボスが監視カメラで見張っている』と碇被告に伝えた」
などと主張しました。
飢えに苦しみ5歳で亡くなった翔士郎ちゃんの死亡時の体重は平均の半分ほどの10.2キロでした。
翔士郎ちゃんが餓死した事件を巡っては、今年6月に開かれた母親の碇被告の裁判で、赤堀被告によるマインドコントロールの実態が語られました。
◆碇被告の裁判(2022年6月7日)
弁護側「子供を守ろうと思えなかった?」
碇被告「逆らわないのが子供たちを守る方法だった」
弁護側「赤堀に逆らったらどうなる?」
碇被告「私が逆らったら子供たちが怒られる。周りの人はみんな敵だと思ってた母も姉も出会う人出会う人みんなスパイだと言われていた」
赤堀被告の指示で言いつけを守らなかった翔士郎ちゃんに2週間以上食事を与えなかったこともあったと証言した碇被告ー。
一審判決で福岡地裁の冨田敦史裁判長は赤堀被告による“支配”を認定し、「碇被告には、数々の嘘によって生活全般を支配された被害者としての側面がある」などとして懲役10年の求刑に対し懲役5年の判決を言い渡しました。
一方、弁護側は8月29日の初公判で、「赤堀被告は碇被告に金を貸したことがあり、その返済として受け取っていたが、それ以外で受け取ったことはない」として詐欺の罪を完全に否定。
検察が冒頭陳述で取り上げたボスの存在や監視カメラについては「あくまでも碇被告が持ち出した話」だとして、検察が指摘した「支配」とは異なる構図を主張しました。
◆弁護側
「赤堀被告は当時、碇被告が話す監視カメラなどの話が本当なのかよく分からなかったが、久しぶりの友達で嫌われるのが怖くて仲良くしていた」
ママ友への支配はなかったとして無罪を主張した弁護側は、裁判員らに「今後、赤堀被告の話をよく聞いて欲しい」と訴えかけました。
さらに、初公判を前にTNCの取材に応じた父親も「そんな子には育てていない」などと赤堀被告の無実を訴えました。
◆赤堀被告の父親
「別に自分が手にかけて殺した訳ではなし、自分が年中(一緒に)住んどって『食わすんな』『食わすんな』って殺しとるなら自分の罪になるけど、そうではない。自分はそういう子には育ててない。子を信用している、それだけ」
「母親を支配して5歳児を餓死させた」と主張する検察と「嫌われたくなくて仲良くしただけ」などと無罪を訴える弁護側ー。
8月30日以降も続く裁判で、双方の主張を裏付ける証人尋問や被告人質問が予定されています。
◆記者リポート(福岡地裁、29日)
「現在午前9時前です。注目のママ友・赤堀被告の裁判初公判の傍聴券を得ようと、かなり多くの人が裁判所に訪れています」
開廷1時間前、初公判で用意された一般傍聴席24席に対し、10倍を超える263人の希望者が集まりました。
落ち着いた様子で法廷に入ってきた被告は、紺の長袖・長ズボン姿で、白髪混じりの長い髪は後ろで束ねていました。
◆裁判長と赤堀被告のやりとり
裁判長「名前は?」
赤堀被告「赤堀恵美子です」
裁判長「いくつですか?」
赤堀被告「49歳です」
保護責任者遺棄致死などの罪に問われている篠栗町の無職・赤堀恵美子被告(49)ー。
起訴状などによりますと、2020年4月、実質的に生活全般を支配していたママ友の碇利恵被告(40)と共謀し、碇被告の三男で当時5歳だった翔士郎ちゃんに十分な食事を与えず餓死させた罪に問われています。
赤堀被告はさらに「夫が浮気をしている」などと碇被告に様々な嘘を吹き込み、浮気の調査費などとしてあわせて約200万円をだまし取るなどした罪にも問われています。
初公判の冒頭で赤堀被告は裁判長の問いかけに対してー
◆裁判長と赤堀被告のやりとり
裁判長「まず最初に翔士郎ちゃんが亡くなった保護責任者遺棄致死について聞きます。内容はわかっていますか?」
赤堀「はい」
裁判長「この内容について言いたいことはありますか?違っているところはありますか?」
赤堀「指示はしていません」
裁判長「詐欺や窃盗についてはどうですか?」
赤堀「違います。お金を騙し取ったということはないし、窃盗の件も頼まれておろしてきたのでそこも違います」
赤堀被告はボソボソとした小さな声で起訴内容を“完全否認”しました。
これに対して検察側は、赤堀被告が元夫との裁判に勝つためと嘘をついて碇被告が質素な生活を送るようルールを定め、ボスと呼ばれる第三者の存在を信じ込ませて差し入れの食事のみで経済面を管理するようになったと指摘しました。
そのうえで検察側はー
◆検察側
「低栄養状態の翔士郎ちゃんを確認したにも関わらず食事の提供をやめ、何も食べたりしないよう『ボスが監視カメラで見張っている』と碇被告に伝えた」
などと主張しました。
飢えに苦しみ5歳で亡くなった翔士郎ちゃんの死亡時の体重は平均の半分ほどの10.2キロでした。
翔士郎ちゃんが餓死した事件を巡っては、今年6月に開かれた母親の碇被告の裁判で、赤堀被告によるマインドコントロールの実態が語られました。
◆碇被告の裁判(2022年6月7日)
弁護側「子供を守ろうと思えなかった?」
碇被告「逆らわないのが子供たちを守る方法だった」
弁護側「赤堀に逆らったらどうなる?」
碇被告「私が逆らったら子供たちが怒られる。周りの人はみんな敵だと思ってた母も姉も出会う人出会う人みんなスパイだと言われていた」
赤堀被告の指示で言いつけを守らなかった翔士郎ちゃんに2週間以上食事を与えなかったこともあったと証言した碇被告ー。
一審判決で福岡地裁の冨田敦史裁判長は赤堀被告による“支配”を認定し、「碇被告には、数々の嘘によって生活全般を支配された被害者としての側面がある」などとして懲役10年の求刑に対し懲役5年の判決を言い渡しました。
一方、弁護側は8月29日の初公判で、「赤堀被告は碇被告に金を貸したことがあり、その返済として受け取っていたが、それ以外で受け取ったことはない」として詐欺の罪を完全に否定。
検察が冒頭陳述で取り上げたボスの存在や監視カメラについては「あくまでも碇被告が持ち出した話」だとして、検察が指摘した「支配」とは異なる構図を主張しました。
◆弁護側
「赤堀被告は当時、碇被告が話す監視カメラなどの話が本当なのかよく分からなかったが、久しぶりの友達で嫌われるのが怖くて仲良くしていた」
ママ友への支配はなかったとして無罪を主張した弁護側は、裁判員らに「今後、赤堀被告の話をよく聞いて欲しい」と訴えかけました。
さらに、初公判を前にTNCの取材に応じた父親も「そんな子には育てていない」などと赤堀被告の無実を訴えました。
◆赤堀被告の父親
「別に自分が手にかけて殺した訳ではなし、自分が年中(一緒に)住んどって『食わすんな』『食わすんな』って殺しとるなら自分の罪になるけど、そうではない。自分はそういう子には育ててない。子を信用している、それだけ」
「母親を支配して5歳児を餓死させた」と主張する検察と「嫌われたくなくて仲良くしただけ」などと無罪を訴える弁護側ー。
8月30日以降も続く裁判で、双方の主張を裏付ける証人尋問や被告人質問が予定されています。
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