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【博多ストーカー殺人】裁判メモ(2)「やめて」「ふざけんな」 刃物を振り下ろし…折れた先端は頭蓋骨に

事件・事故

2024/06/25 17:00

2023年1月、福岡市のJR博多駅近くの路上で川野美樹さん(当時38)が刃物で複数回刺され死亡する事件が起きました。

その後、逮捕・起訴された元交際相手の寺内進被告(32)の初公判が2024年6月17日に福岡地裁で開かれ、被告は「刺したことは間違いないですが待ち伏せしたことは違います」と殺人罪については認め、ストーカー規制法違反の罪については否認しました。

弁護側は「待ち伏せした事実はありません」「恋愛感情はすでに失っていて、それに対する怨恨はない、ストーカー規制法については無罪」と主張しました。

この記事では、事件当日に現場で何が起こったのか?を中心に、公判2日目(6月18日)、3日目(6月19日)の廷内のようすを、TNC裁判担当記者のメモをもとに詳しく伝えます。

<裁判メモ(1)からの続き>

◆包丁の先端が折れて頭蓋骨に刺さっていた
公判2日目の6月18日、検察側は、事件現場付近で寺内被告が川野さんを襲う様子などを捉えた防犯カメラの映像を公開しました。映像は以下の4つです。

1)犯行現場へ向かい並んで歩いて行く2人、その後1人で走り去る寺内被告
2)犯行現場で2人が話し、数分後に寺内被告が川野さんに対して襲いかかり、倒れ込んだ川野さんに腕を何度も振り下ろす様子
3)寺内被告が走って逃げる様子
4)寺内被告が走って逃げる様子

また検察側は川野さんの傷の状況などを明らかにしました。

・包丁の先端が被害者の頭蓋骨に折れて刺さっていた
・傷は頭部、顔、首付近、胸部、腹部、手足にあった
・右前胸部の傷は深さ20.5センチ、ほかにも深さ19センチの傷が複数あった
・右肺を貫通している傷もあった
・大静脈・心臓壁を損傷
・背中から腹部まで貫通している傷もあった
・死亡推定時刻は(1月16日)午後6時20分ごろ、傷による失血から短時間で死亡したもの

◆「しゃがんで刃物を振り下ろしていた」
公判3日目となった6月19日、事件現場を目撃した女性が証人として出廷しました。

<検察側からの証人尋問>

Q「当日(2023年1月16日)は何を?」
A「退勤して、午後6時半ごろに予約していたインフルエンザの予防接種に向かう途中でした」

Q「どのあたりで?」
A「会社が博多駅前通りで、病院に向かう前に博多駅前の郵便局へ向かって、大博通りを歩いているときです」

Q「どうなった?」
A「歩いているとき、コンビニの手前あたり左側で人垣ができているのを見ました。人の中心に男性が立っていて、横を通るとき男性が荷物か何か抱えていると思いました」

Q「男性はどのあたりでしたか?」
A「コンビニの横の小道に入る歩道近くで男性がつかんでいるのが人だと分かりました」

Q「男性はどんな体勢でしたか?」
A「立っていました」

Q「近づくきっかけは?」
A「通り過ぎるときは痴話げんかか、女性が酔ってつかんでいるだけなのか、よく分からなくて、人垣ができているけど危ない感じはないかと思ったんですけど、通り過ぎようとしたと同時くらいに、女性の『やめて』『いや』、男性の『ふざけんな』という声が聞こえて、周りの人垣から怒声に近い声で『警察呼べ』『やめろ』という声が聞こえたので近づきました」

Q「近づいたとき、2人の様子は?」
A「『警察呼べ』というのを聞いて、見たときは、男性しか目に入らなかった。何かを手に持って何回も振り下ろしている動作をしていた」

Q「何を?」
A「その時は分からなかったです」

Q「どこからどこへ振り下ろす動作をしていた?」
A「頭の横か上くらいから振り下ろしているように見えました」

Q「下へ?」
A「下に向かってです」

Q「先に何があるか分かった?」
A「女性の身体です」

Q「(女性の)身体のどのあたりに?」
A「はっきりとは分からないですが、髪の毛があったので上半身だと思います」

Q「それからどうなった?」
A「私も携帯を出して、警察へ通報しました。やめるのではないかと思い、1メートルくらいまで近づきましたが、すでに女性が道路に横になって、男性もしゃがんで刃物を振り下ろしていた。周りに目をむけることなく、女性だけをみていた」

◆路上に動かない女性…「蘇生措置できないか」と

Q「言葉は発していた?」
A「『ふざけんな』『このやろー』とか、感情的ではなくて平坦な感じというか」

Q「ずっと『ふざけんな』『このやろー』とか繰り返していた?」
A「はい」

Q「女性は?」
A「私が近づいたときには何も聞こえなかった」

Q「振り下ろす勢いは?」
A「大きく振りかぶる感じではなく、淡々と振り下ろしているという感じです」

Q「立っていたときは頭の横から(振り下ろしていた)と、近づいたときは変わっていた?」
A「立っていたときに比べたら、しゃがんでいたときの方が小さかった」

Q「それから?」
A「私自身、警察に電話しながら他の人たちも通報したりと、目を離す瞬間もあって、男が刺すのをやめて立ち上がるのは見ていなくて、男性が女性から離れて歩いて行っているところでした。動かない女性の周りの人たちが『蘇生措置できないか』と言っていたが、何もできなくて警察と救急車が来るのを待っていました」

Q「何回くらい振り下ろす動作を?」
A「まず見たときに立っていたときは少なくとも2回、近づいたときは少なくとも4回は見ました」

Q「事件後、何か生活に支障は?」
A「あまり覚えていませんが、会社へ出勤退勤するときに急に泣いてしまったり、助けることというか何もできなかったのを急に思い出します。その時期は周りから余り食べていない、やつれたと言われました」

(ここまで検察側からの証人尋問)

◆「叫んだり怒鳴ったりではなく、抑揚がない感じで」

<弁護側からの証人尋問>

Q「振り下ろしているときの声を詳しく言えますか?」
A「『ふざけんな』『このやろー』だけです。何度か言っていたと思います」

Q「常にしゃべっていた?」
A「そんな感じです」

Q「『感情的ではない』というのはどういう意味ですか?」
A「叫んだり怒鳴ったりじゃない感じです」

Q「怒った様子ではなかったということですか?」
A「憎しみはある感じでしたが、大声で怒鳴り散らかすという感じではないです。すごく憎んでいる感じはしました」

Q「抑揚がないという感じですか?」
A「そうです」

(ここまで弁護側からの証人尋問)

◆男が持っていた刃物「はっきりとわかりました」

<検察側からの証人尋問>

Q「持っていたものが刃物と分かったのは?」
A「近づいて、はっきりわかりました」

Q「形状は?」
A「どういうものかは記憶がないです」


<裁判所から証人への質問>
Q「『やめて』『いや』という声、大きさや感情は?」
A「切実というか、とっさに出てくるような感じの声でした」

◆「死んでしまったと思いました」
このあと、川野さんが殺害されたときの状況について、被告人質問が行われました。

<弁護側から寺内被告への質問>

Q「昨日、防犯カメラの様子などみて記憶がよみがえったところはありますか?」
A「傘を置いたときとか、トートバックを置いたときとか」

Q「傘やトートバック置いた理由は?」
A「分かりません」

Q「トートバックから包丁を取り出した記憶は?」
A「あります」

Q「なぜ手に?」
A「わかりません」

Q「トートバッグの中に手を入れて取った記憶はある?」
A「はい」

Q「そしてどうした?」
A「刺したと思います」

Q「記憶は?」
A「多少あると思います」

Q「刺した記憶は戻ってきた?」
A「どうなんすかね、刺したのは刺したんで、どこを刺したかは覚えていない」

Q「『いや』『やめて』『ふざけんな』などの言葉など証人の話を聞いて、どこを刺したか記憶は?」
A「よみがえらなかったですね」

Q「何回くらい突き刺した?」
A「何回でしょう、10回くらいやと思います」

Q「どのあたりを?」
A「わかりません」

Q「突き刺した包丁はどこに?」
A「トートバックの中に」

Q「手に握っている記憶はないですか?」
A「はい」

Q「倒れている川野さんを見て、手に包丁があった記憶は?」
A「ありますね」

Q「どっちの手に?」
A「右利きなので右手です」

Q「柄はどういうふうに?」
A「刃が下です」

Q「逆手ということですか?」
A「はい」

Q「何が起こったと思いましたか?」
A「刺してしまったな、と」

Q「川野さんの状態をどう思った?」
A「分からないです」

Q「死んでしまったと?死んでいないけど刺してしまった?」
A「死んでしまったと思いました」

Q「殺してしまったと」
A「はい」

Q「その後はどうした?」
A「川沿いに向かって行きました」

Q「どこの川に?」
A「中洲の」

Q「近くには何が?」
A「ドン・キホーテが見えました」

Q「途中どこかに寄ったりは?」
A「牛丼店に行きました」

Q「どこの?」
A「博多署の近くの」

◆「胸を刺して死のうと思ったけど、怖くてできなかった」

Q「なぜ?」
A「やばいやばいと思って、タバコを吸って落ち着くために」

Q「『やばい』とは?」
A「やってしまったな、と」

Q「店に入ってタバコはどこで?」
A「トイレです」

Q「タバコは何本?」
A「3本くらい」

Q「何を考えた?」
A「終わったな、と」

Q「何が?」
A「人生が」

Q「あなたの?川野さんの?」
A「どっちともです」

Q「考えがまとまらないまま川沿いへ向かった、目指した?たまたま?」
A「目指して行きました」

Q「どうして」
A「知らんし」

Q「着いてからどうした?」
A「もう1本の包丁で死のうと思ったけど死ねなくて、投げ捨てて泣いていました」

Q「自殺しようとしたけどできなかった?」
A「はい」

Q「どんな行動をとろうと?」
A「胸を刺して死のうと思ったけど、怖くてできなかった」

Q「もう1本の包丁は?」
A「川に投げ捨てました」

Q「刺した包丁は?」
A「証拠だったから持っていた。自首するときに持って行こうと」

Q「川沿いでどれくらい過ごした?」
A「2,3時間くらい」

Q「何を考えた?被害者のことは?」
A「『ごめん』という気持ちと『ほんまにごめん』という気持ちです」

Q「すぐに自首しなかったですが、どこで過ごした?」
A「漫画喫茶やコインランドリーです」

Q「(事件当日)1月16日の夜はどこで寝た?」
A「漫画喫茶ですね」

Q「17日は?」
A「お世話になった人としゃべりました」

Q「会いに行った?」
A「1人だけですね」

Q「お礼を言いたかった?」
A「犯行のことは言ってないですけど」

Q「別れを告げに?」
A「はい」

Q「17日の夜は?」
A「コインランドリーで」

Q「18日は昼前に職質を受けた、それまではどこで?」
A「後輩のお店に行きました」

Q「どんな話を?」
A「『なんで刺したんですか?ニュースになってますよ』って」

Q「あなたは何と答えた?」
A「『自首するしかない』と」

Q「それは何時ごろ?」
A「朝6時か7時」

Q「そのまま自首しなかった?」
A「後輩が『夜一緒に自首しましょう』と言った」

◆「職務質問」は川野さんの誕生日

Q「気づいたら包丁を持っていたといったが、手にしたのは覚えている?10回以上刺した記憶は?」
A「昨日言われて、10回以上と」

Q「警察から傷が10カ所以上と聞いて、どう思った?」
A「そんなに刺したんだ、と」

Q「記憶は?」
A「刺した記憶はあります」

Q「18日に職務質問を受けてどう思った?」
A「たぶんほっとしたと思います」

Q「どういう心の中身?」
A「なんていえばいいのかわからないけど、捕まってよかったなと」

Q「1月18日という日付についてどう思った?」
A「川野さんの誕生日と聞いてびっくりしました」

Q「誕生日は知らなかった?」
A「知らなかったです」

Q「心境は?」
A「申し訳ないなと」

Q「およそ1年半ほど経ったが、今、川野さんについてどう考えますか?」
A「母親の権利を奪ってしまったことと、子供の成長を見せることができなくなって、幸せな家庭を僕が潰してしまって、申し訳ないです」

Q「子供についても申し訳ないと?」
A「はい」

Q「被害者や子供、家族へしたことはどうつぐなう?」
A「刑務所で金を貯めてつぐないたいなと」

Q「今はお金がないから、刑務所で働いたお金を受け取ってもらいたいと?」
A「はい」

(ここまで弁護側からの被告人質問)

◆着ていた服は「牛丼店に」
<検察側からの被告人質問>

Q「殺人は間違いない?」
A「間違いないです」

Q「殺害してからはっきり覚えているのは?」
A「牛丼店に行って、川沿いに行って、お世話になった人のところに行った」

Q「牛丼店に向かうまでの記憶は?」
A「とっさやったんで、わからない」

Q「タバコの吸い殻は?」
A「トイレに流した」

Q「着ていた服は?」
A「牛丼店に置いていった。トイレの服がかけられるところに」

Q「目立つから?」
A「あるかもしれないですね」

Q「包丁2本は護身用?」
A「右からも左からも真ん中からも後ろからも、いろいろな方向からリンチ食らうんで、僕も殺されると思って」

Q「左手は使う?」
A「どうなんすかね」

Q「2本、左右に持つんですよね、左手に持つ意味は?」
A「左からも来るよ、っていう」

Q「左から来たら左手で?」
A「ですね」

Q「(自宅の)襲撃以降、実際に包丁を使う場面は?」
A「まだなかったですけど、いつ来るかわからなかったんで」

Q「時間が経って、もう来ないとは思わなかった?」
A「名刺も散らばってたんで、店に来るんじゃないかと思って、包丁を持ち歩いていた」

Q「口頭警告で10月24日に警察に行った、そのときは包丁は?」
A「持っていないです」

Q「襲撃されるとは思わなかった?」
A「警察に呼ばれて包丁持っていくバカはいないんで」

Q「禁止命令が出る前に川野さんのクラブや職場へ行った際は包丁は?」
A「そうですね」

Q「包丁を投げ捨てたのはいつ?」
A「刺してから逃げるときに川沿い渡って、その時に捨ててます」

Q「2本の包丁のうち1本を捨てている。襲撃のリスクがあるのに?」
A「その前に(警察に)捕まるから…」

Q「襲撃犯に襲われる可能性は?家や勤務先を考えていた?」
A「はい」

Q「路上の可能性は?」
A「考えてないですね」

◆川野さんに謝罪させたい気持ち「あった」

Q「禁止命令を受けたことで川野さんへの気持ちの変化は?」
A「覚えていませんね」

Q「令和5年(2023年)1月以降、川野さんへの気持ちの変化は?」
A「は…どうなんでしょうね、わかんないですね」

Q「令和4年(2022年)12月、知人に向けて『どいつもこいつもくそ女の味方か』とSNSで送っているが、記憶は?」
A「ないですね」

Q「川野さんの名前でグーグル検索しましたか?」
A「しましたね」

Q「1月3日に川野さんのインスタも検索してますね?」
A「はい」

Q「川野さんの娘の名前でもグーグル検索してますね?」
A「はい」

Q「なぜ?」
A「お客さんとお互いの元カノが同じエリアにおるってなって意気投合して調べました。元カノをちょっと調べただけです」

Q「令和5年(2023年)1月の時点で、川野さんに対して文句など言いたいことはあった?」
A「あったと思いますね」

Q「謝罪させたい気持ちは?」
A「どうなんやろ…あったと思いますね」

Q「警察に相談したことを謝罪させたかった?」
A「そうですね」

Q「謝罪があればどうしていた?」
A「どうもならなかったと思いますね」

Q「謝罪を受け入れたあとは別れようと?」
A「あったと思います」

◆「ストーカー」の話で口論に

Q「逮捕時の供述調書で『返答次第では行くとこまで行く気持ちだった』と供述しているが…?」
A「ないですね」

Q「川野さんを殺す気持ちは?」
A「ないですね。警察側のあれですよね。(警察に)好きに書いたらええやんと言った記憶があります」

Q「供述調書が作成されたときに、あなたに内容を読み聞かせる場面があったと思うが、その時に話していない内容も調書にあった?」
A「ありましたね」

Q「職務質問を受けて、逮捕された令和5年(2023年)1月18日 警察署で自分がしたことについて紙に書いて、日にちと名前、拇印を押して上申書を作った記憶は?」
A「ありますね」

Q「上申書の中身は?」
A「覚えてないっすね」

Q「作成したことについては間違いない?」
A「そうですね」

(寺内被告に上申書を見せながら)
Q「この文書、あなたが書いた?」
A「そうですね」

Q「あなたが署名しましたね?」
A「そうですね」

Q「上申書を要約しますが『ストーカーの件で川野さんと口論になって刺した』、この部分を作った記憶はありますか?」
A「はい」

Q「川野さんとはストーカーの話で口論になった記憶はある?」
A「ありますね」

Q「川野さんが警察に相談したことで口論になった?」
A「そうですね」

◆川野さんにも責任「あった」

Q「(調書で)令和5年(2023年)1月1日~3日の正月休み、川野さんへの気持ちを『怒りがうじゃうじゃ沸いた』と言っているが、そういう気持ち?」
A「いや『怒りがうじゃうじゃ沸いた』気持ちではなかったっすね」

Q「電気やガスが止まる、ホテル暮らしのせい、と言っていましたが、川野さんのせいとは?」
A「全部が全部ではないですけど一理あると思う。何もなかったら襲撃もなくて襲撃もあの2人(傷害事件の被害者)と思っていたので、ガラスも割られていないと」

Q「川野さんの責任だと?」
A「少しはあったと思います」

Q「事件当日、路上でタバコを吸っていた時、川野さんに会えるとは?」
A「ないっすね」

Q「川野さんの姿を見て『おい』と、一度文句言ってやりたいと?」
A「そうですね、どうなんですかね、わからないです」

Q「傘をぶつけたら川野さんは『ストーカーだよ、警察呼ぶから』と?」
A「そんなニュアンスやったと思います」

Q「『ストーカー、ストーカーって、しゃべったらあかんのはわかってるけど、また警察っていうのか』と言った記憶は?」
A「はい」

Q「『ごめんね』と言えば、こっちも『バイバイ』というのに、なんでそんなこと言うのかと?」
A「ありますね」

Q「(LINEのアカウント)『ミコ』の件で言い合いになり、川野さんに『どういうこと』と言ったら『知らんって』と、『警察に言ったらいいじゃん』と言われた記憶は?」
A「あるんちゃいますかね」

Q「『警察に言ったら』と言ったことに対して『次言ったら捕まるだろう、捕まったら店長とか専務に迷惑がかかるのになぜいうのか』と?」
A「覚えてないですね」

Q「文句を言ったのは?」
A「どうなんすかね」

Q「はっきりしない?」
A「はい」

◆「警察に捕まればいいじゃん」と言われ…

Q「『警察に話をしろ』『警察で話そう』とか川野さんに言われた記憶は?」
A「あったと思います」

Q「川野さんが『警察にごめんなさいといって捕まればいいじゃん』と言った記憶は?」
A「ありましたね」

Q「それについてショックは?」
A「ありましたね」

Q「川野さんが人生めちゃくちゃにしたのになめやがって、と思った?」
A「覚えていませんね」

Q「『お前のせいで人生めちゃくちゃになった、いい加減にせえよ』といった記憶は?」
A「ありますね」

Q「包丁を持った気持ちは怒りから?」
A「わかんないですね」

(ここまで検察側からの被告人質問)

◆「ふさげんな」と頭を壁にぶつけた
<弁護側からの被告人質問>

Q「1月29日、取り調べ中に署で頭を壁にぶつけた記憶は?」
A「ありますね、まったく関係ない人を調査して宮崎まで行って、バーのマスターとか関係ない人の話を聞きに行ったり、関係ない人を警察が巻き込んでいって『ふざけんな』となって、頭をぶつけた」

Q「警察から自殺について『どうしてしなかった?』と聞かれた?どう思った?」
A「覚えていない」

Q「『死ねと言っているのか?』と言った記憶は?」
A「ニュアンスのことは」

Q「検察の取り調べは長かった?」
A「朝から夜まで、夜8時くらいまで」

Q「疲れたとは言わなかった?」
A「疲れたと言いました」

Q「検察側はやめましたか?」
A「いいえ」

Q「弁護士にきついと訴えましたよね?」
A「言いました」

Q「抗議文を送りましたよね?」
A「はい」

Q「取り調べは変わりましたか?」
A「とくに」

Q「禁止命令後、川野さんに謝罪させたい気持ちはあった?」
A「そうですね」

Q「禁止命令後、連絡はまったく取っていない?行動に移そうとしたことは?」
A「なかったですね」

(ここまで弁護側からの被告人質問)

<裁判メモ(3)に続く>

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