2023/06/08 16:06
BBQ死傷事故 調査委が報告「理事長には何も言えない」「同様の事故が再発する危険性は極めて高い」
事件・事故
2024/07/04 17:30
福岡県柳川市の美容専門学校でバーベキュー中に生徒4人が死傷した事故で、事故調査委員会による報告書がまとまり、7月4日、委員会は「経営体質が変わらない限り同様の事故が再発する危険性は極めて高い」と指摘しました。
去年5月、柳川市の「ハリウッドワールド美容専門学校」ではバーベキュー中のコンロに男性職員が消毒用のアルコールを投入し、燃え上がった炎が生徒4人に引火して、うち1人が死亡しました。
学校側が設置した第三者による事故調査委員会は、これまでの調査や14回におよぶ審議の結果をまとめ、4日午後、報告書を古賀英次理事長に手渡しました。
調査委員会は報告書の中で、今回の事故が発生した重要なポイントとして以下の3つを挙げています。
調査委員会は報告書の中で、今回の事故が発生した重要なポイントとして以下の3つを挙げています。
<事故調査報告書より>
1)古賀理事長がアルコール投入を発案し、実行したこと
⇒古賀理事長の危機管理意識の欠如が最大の原因である。
2)学校の職員から古賀理事長の発案に対し、反対する意見が出なかったこと
⇒危険性や不信感を感じていた者が多数いたにも関わらず、誰ひとりとして古賀理事長に対して質問や意見すらできなかった。
幹部職員以外の職員からは
「危ないと感じたが、理事長からの指示ということで、それに従うしかないという感じだった」
「理事長はやると決めたらやる。言っても無駄だと感じていた」
など、あきらめに近い声が聞かれた。
また日頃の学校運営でも古賀理事長の決定に対して、幹部職員が何の違和感や抵抗もなく受け入れる反面、服従するしかないという幹部職員以外の職員が多くみられた。風通しの悪い、閉塞的な職場環境、組織風土が原因のひとつ。
3)事故の直接的な原因となった加害職員のアルコール投入
⇒古賀理事長からの直接的な指示はなかったが、加害職員は日ごろから古賀理事長から叱責を受けており、圧力を感じていた。当日も自分の担当するコンロの火力が弱かったため、食べるのが遅くなれば理事長から叱責を受けるという焦りもあったと述べている。加害職員は火を強めることが古賀理事長の意に沿うものと考え、とっさにアルコールを投入したと考えられる。
◆「理事長には何も言えない」「何を言っても無駄」
1)古賀理事長がアルコール投入を発案し、実行したこと
⇒古賀理事長の危機管理意識の欠如が最大の原因である。
2)学校の職員から古賀理事長の発案に対し、反対する意見が出なかったこと
⇒危険性や不信感を感じていた者が多数いたにも関わらず、誰ひとりとして古賀理事長に対して質問や意見すらできなかった。
幹部職員以外の職員からは
「危ないと感じたが、理事長からの指示ということで、それに従うしかないという感じだった」
「理事長はやると決めたらやる。言っても無駄だと感じていた」
など、あきらめに近い声が聞かれた。
また日頃の学校運営でも古賀理事長の決定に対して、幹部職員が何の違和感や抵抗もなく受け入れる反面、服従するしかないという幹部職員以外の職員が多くみられた。風通しの悪い、閉塞的な職場環境、組織風土が原因のひとつ。
3)事故の直接的な原因となった加害職員のアルコール投入
⇒古賀理事長からの直接的な指示はなかったが、加害職員は日ごろから古賀理事長から叱責を受けており、圧力を感じていた。当日も自分の担当するコンロの火力が弱かったため、食べるのが遅くなれば理事長から叱責を受けるという焦りもあったと述べている。加害職員は火を強めることが古賀理事長の意に沿うものと考え、とっさにアルコールを投入したと考えられる。
◆「理事長には何も言えない」「何を言っても無駄」
そのうえで、古賀理事長の強権的な経営が事故の原因となったと指摘。また、コンロに投入した消毒用アルコールの量が約1リットルだったことなどが明らかになりました。
◆事故調査委員会 中馬充子 委員長(4日の会見)
「火力が弱いということになるとバーベキューのプログラムが遅れてしまうそうなると理事長からの叱責をうける」「経営体質が変わらない限り同様の事故が再発する危険性は極めて高いと言える」
報告書は以下のように総括されています。
「古賀理事長は先代の母親から理事長職を引き継いで、以降35年にわたり、実質的に経営トップを務めており、その時間の流れの中で、教職員には『理事長には何も言えない』『何を言っても無駄』という意識が醸成され、組織風土が形作られ、それがまた古賀理事長の遵法意識や危機管理意識の麻痺・欠如に繋がり、その結果として引き起こされた事故といえる。組織のトップが同じ人物であれば、同じような事故が起こりうる可能性が極めて高い」
◆事故調査委員会 中馬充子 委員長(4日の会見)
「火力が弱いということになるとバーベキューのプログラムが遅れてしまうそうなると理事長からの叱責をうける」「経営体質が変わらない限り同様の事故が再発する危険性は極めて高いと言える」
報告書は以下のように総括されています。
「古賀理事長は先代の母親から理事長職を引き継いで、以降35年にわたり、実質的に経営トップを務めており、その時間の流れの中で、教職員には『理事長には何も言えない』『何を言っても無駄』という意識が醸成され、組織風土が形作られ、それがまた古賀理事長の遵法意識や危機管理意識の麻痺・欠如に繋がり、その結果として引き起こされた事故といえる。組織のトップが同じ人物であれば、同じような事故が起こりうる可能性が極めて高い」
これを受けて、古賀理事長は事故後初めて会見を行い謝罪した上で「長くトップを務める中で風通しの悪い風土になっていた」と話し、4日付けで理事長を辞任すると発表しました。
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