戦後77年 平和を守り抜く(4)父が残した日記 演劇で伝える“特攻隊予科練習生”
暮らし
2022/08/15 18:30
シリーズ「平和を守り抜く」。
最終回は、戦時中の青年たちが所属した「特攻隊予科練習生」の実体験をいまの世代に伝える取り組みを取材しました。
*********************
<福岡市の劇団「風の子九州」の劇より>
◆平岡直二郎 役(特攻隊予科練習生)
「自分もようやくお国のために戦える日が来ました!」
◆佐藤綾 役
「それってもしかして…」
◆平岡直二郎 役
「はい!特攻隊員に選ばれました!」
劇の中で固い決意を語る青年。
特攻隊への入隊が決まった16歳の若者の役を演じています。
<福岡市の劇団「風の子九州」の劇より>
◆平岡直二郎 役
「自分は特攻隊員に志願したんだ!後悔はありません!」
福岡市の劇団「風の子九州」が8月10日に東京で開いた公演。
現代を生きる女子高生がタイムスリップをして、戦時中の「特攻隊予科練習生」に出会うという物語です。
脚本は、劇団員の川島二郎さん(62)の父親の実体験を基にして作られました。
◆劇団員 川島二郎さん
「父が自分が体験した『予科練』のこと、軍隊のことをいまの人たちに伝えたいと」
爆弾を積んだ航空機で敵の戦艦に突入する「特攻」。
陸海軍あわせて約1万4000人の命が失われたといいます。
そのほとんどが二十歳前後の若者でした。
◆劇団員 川島二郎さん
「これが父ですね。これが家族写真。真ん中が父ですね。人にうそをつくとか、そういうことをするとすごい怒る父でしたね」
川島二郎さんの父親で福岡市出身の川島謙二さん。
1943年、15歳で特攻隊員を養成する「予科練習生」になりました。
これは、父・謙二さんが戦時中の体験を思い出しながら、亡くなる前に記した“回顧録”です。
<川島謙二さんの日記より>
「甲種飛行予科練習生における私は、弱い人間であったし、その弱さを忘れるために日記をつけていた。少しでも戦争時代の、精神的自由がなく苦しかったことを若き人が知っていただけたら幸甚に思います」
ここには、15歳という若さで「予科練」を過ごした謙二さんの厳しい日々が記されています。
福岡市で稽古を重ねる「風の子九州」。
劇の中では謙二さんの「実体験」が描かれています。
<川島謙二さんの日記より>
「事業服の上が1枚足りないので、班長に報告した」
「軍隊では数に厳しい。ひとつでも不足すれば、厳罰に処せられる」
「食器を洗う振りをして隣のを取ったことがある」
予科練習生が規則を破ると厳しい制裁を受けていました。
<川島謙二さんの日記より>
「丸太を削って野球のバットのようなものを作っている教員のところに出くわした」
「『軍人精神注入棒』と書かれたバッター(バット)を、カラカラと引きずってくる音が、静まり返った中に響いて、中央に教員が並び…」
<福岡市の劇団「風の子九州」の劇 練習>
「きょうは今までのシャバの汚れを落としてやる!気合いを入れてやるから壁に手を付け!」
今回、「予科練習生」を演じる劇団員はー
◆特攻隊「予科練習生」役
「予科練習生の当時の映像、訓練している様子だったりを見て、精神的にも肉体的にもどう近づけるか(考えている)」
終戦から今年で77年。
「風の子九州」は東京で特別講演に臨みました。
現代の女子高生が出会った特攻隊予科練の青年。
違う時代を生きていても同じ悩みを抱えていることを知ります。
そして、劇の終盤で青年は特攻隊員として旅立ちます。
劇を通じて描かれた“戦争の悲惨さ”ー
鑑賞した人たちは何を感じたのでしょうか?
◆鑑賞した小学5年生(男子)
「戦争はこんなに怖いんだなということを改めて思った」
◆鑑賞した中学1年生(女子)
「たまに戦争の本とかアニメとかあるけど、ちょっと遠回しにしていたところがあったので、積極的に見れたらいいなと思う」
川島さんは父が残した思いをこれからも若い世代に伝えていきたいと考えています。
◆劇団員 川島二郎さん
「父は(日記を)たくさんの人に伝えたいと思っていたので、この作品は特に中学生・高校生には見てもらい、考えるきっかけになればと思います」
最終回は、戦時中の青年たちが所属した「特攻隊予科練習生」の実体験をいまの世代に伝える取り組みを取材しました。
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<福岡市の劇団「風の子九州」の劇より>
◆平岡直二郎 役(特攻隊予科練習生)
「自分もようやくお国のために戦える日が来ました!」
◆佐藤綾 役
「それってもしかして…」
◆平岡直二郎 役
「はい!特攻隊員に選ばれました!」
劇の中で固い決意を語る青年。
特攻隊への入隊が決まった16歳の若者の役を演じています。
<福岡市の劇団「風の子九州」の劇より>
◆平岡直二郎 役
「自分は特攻隊員に志願したんだ!後悔はありません!」
福岡市の劇団「風の子九州」が8月10日に東京で開いた公演。
現代を生きる女子高生がタイムスリップをして、戦時中の「特攻隊予科練習生」に出会うという物語です。
脚本は、劇団員の川島二郎さん(62)の父親の実体験を基にして作られました。
◆劇団員 川島二郎さん
「父が自分が体験した『予科練』のこと、軍隊のことをいまの人たちに伝えたいと」
爆弾を積んだ航空機で敵の戦艦に突入する「特攻」。
陸海軍あわせて約1万4000人の命が失われたといいます。
そのほとんどが二十歳前後の若者でした。
◆劇団員 川島二郎さん
「これが父ですね。これが家族写真。真ん中が父ですね。人にうそをつくとか、そういうことをするとすごい怒る父でしたね」
川島二郎さんの父親で福岡市出身の川島謙二さん。
1943年、15歳で特攻隊員を養成する「予科練習生」になりました。
これは、父・謙二さんが戦時中の体験を思い出しながら、亡くなる前に記した“回顧録”です。
<川島謙二さんの日記より>
「甲種飛行予科練習生における私は、弱い人間であったし、その弱さを忘れるために日記をつけていた。少しでも戦争時代の、精神的自由がなく苦しかったことを若き人が知っていただけたら幸甚に思います」
ここには、15歳という若さで「予科練」を過ごした謙二さんの厳しい日々が記されています。
福岡市で稽古を重ねる「風の子九州」。
劇の中では謙二さんの「実体験」が描かれています。
<川島謙二さんの日記より>
「事業服の上が1枚足りないので、班長に報告した」
「軍隊では数に厳しい。ひとつでも不足すれば、厳罰に処せられる」
「食器を洗う振りをして隣のを取ったことがある」
予科練習生が規則を破ると厳しい制裁を受けていました。
<川島謙二さんの日記より>
「丸太を削って野球のバットのようなものを作っている教員のところに出くわした」
「『軍人精神注入棒』と書かれたバッター(バット)を、カラカラと引きずってくる音が、静まり返った中に響いて、中央に教員が並び…」
<福岡市の劇団「風の子九州」の劇 練習>
「きょうは今までのシャバの汚れを落としてやる!気合いを入れてやるから壁に手を付け!」
今回、「予科練習生」を演じる劇団員はー
◆特攻隊「予科練習生」役
「予科練習生の当時の映像、訓練している様子だったりを見て、精神的にも肉体的にもどう近づけるか(考えている)」
終戦から今年で77年。
「風の子九州」は東京で特別講演に臨みました。
現代の女子高生が出会った特攻隊予科練の青年。
違う時代を生きていても同じ悩みを抱えていることを知ります。
そして、劇の終盤で青年は特攻隊員として旅立ちます。
劇を通じて描かれた“戦争の悲惨さ”ー
鑑賞した人たちは何を感じたのでしょうか?
◆鑑賞した小学5年生(男子)
「戦争はこんなに怖いんだなということを改めて思った」
◆鑑賞した中学1年生(女子)
「たまに戦争の本とかアニメとかあるけど、ちょっと遠回しにしていたところがあったので、積極的に見れたらいいなと思う」
川島さんは父が残した思いをこれからも若い世代に伝えていきたいと考えています。
◆劇団員 川島二郎さん
「父は(日記を)たくさんの人に伝えたいと思っていたので、この作品は特に中学生・高校生には見てもらい、考えるきっかけになればと思います」
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