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母親「納得できない」「執行猶予がついて軽いなと」 福岡5歳児バス置き去り死 前園長らに有罪判決

暮らし

2022/11/08 19:25

去年、福岡県中間市で5歳の男の子が送迎バスに置き去りされ熱中症で死亡した事件の判決公判が8日、福岡地裁で開かれ、前の園長らに執行猶予付きの有罪判決が言い渡されました。

判決を受けて、男の子の母親は「納得できない」と語りました。
◆生前の冬生ちゃんが映った動画
「水の呼吸、水の呼吸」

カメラの前で元気にポーズを取る男の子。

中間市の倉掛冬生(くらかけ・とうま)ちゃん、当時5歳。

去年の夏、保育園の送迎バスの中で亡くなりました。
業務上過失致死の罪で在宅起訴されたのは双葉保育園の前の園長・浦上陽子被告(45)と保育士の鳥羽詞子被告(59)です。

起訴状によりますと、2人は去年7月、降車確認を怠るなどして冬生ちゃんを約9時間にわたって送迎バスの車内に放置して熱中症で死亡させた罪に問われていました。
裁判の最大の焦点は、子供を守るべき立場にあった元園長らの「過失の重さ」でした。

これまでの裁判で、浦上被告と鳥羽被告はともに起訴内容を認め、検察側は「保育従事者が守る極めて基本的な注意義務に違反した」と浦上被告に禁錮2年、鳥羽被告に禁錮1年6ヵ月を求刑。

一方、弁護側は「すでに社会的制裁を受け、遺族に対して謝罪を働きかけている」と主張していました。
そして11月8日の判決公判。

福岡地裁の冨田敦史裁判長は「確実に送迎車から降ろすのは当然の基本的な注意義務」「真夏に幼児が取り残されれば自力で脱出できない危険性は認識していた」「灼熱の車内で長時間1人取り残された被害者が感じたであろう苦痛や絶望感を思うとあまりに痛ましい」として「重大な過失」を認定し、浦上被告に禁錮2年(執行猶予3年)、鳥羽被告に禁錮1年6カ月(執行猶予3年)の判決を言い渡しました。
判決後に、冬生ちゃんの母親と祖父が遺影を抱えて会見に臨みました。

◆冬生ちゃんの母親
「冬生を返して欲しいと言いたいです。私は頭の中では冬生が亡くなったとわかっているけど、まだ心の整理がついていません」
◆TNCキャスター
「判決は納得している?」

◆冬生ちゃんの母親
「納得していない。執行猶予がついて軽いなと思いました」

◆TNCキャスター
「繰り返さないために日本社会に何を求めて何を訴えたい?」

◆冬生ちゃんの祖父
「送迎バスを使用しているところは、国がマニュアルを作って配布して、それを徹底させるようなシステムにならないと何も意味ない」
一方、今回の判決について元園長の浦上被告はー

◆浦上被告(声のみ取材可)
「本当に申し訳なく思っています。申し訳ございませんでした。判決が出たとしても決して冬生くんやご遺族は許されない。今後も償いを続けていきたいと思います」

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