2023/01/27 10:35
空港の保安検査に長い列…旅行需要回復も人手不足 ”異次元の事態”に危機感 【福岡発】
暮らし
2023/01/30 19:20
旅行需要の急速な回復に、人手の確保が追いついていません。
福岡空港では、即戦力を募る異例の就職説明会も開かれました。
◆受付スタッフ
「エントリーシートを1枚書いていただいて、回収いたしますので」
28日、福岡空港で行われた合同企業説明会。
様々な空港業務を担う企業14社が初めて一堂に会し、即戦力の獲得に乗り出しました。
異例の説明会の背景にあるのは、この年末年始に表面化した深刻な人手不足ー。
なかでも、利用客の利便性にまで支障が出ているのが、安全運航に欠かせない保安検査業務です。
◆保安検査を担当「にしけい」 山中辰也さん
「人員不足に関しては、今までとは次元が異なる現況。弊社でも重く受け止めている」
去年12月末、久々に行動制限のない年末年始を迎ていた福岡空港ー。
混み合う出発ロビーにできていたのは、保安検査の順番を待つ長蛇の列です。
国内線の保安検査場は北と南の2カ所にあり、それぞれの検査場は220メートル離れていますが、混雑のピーク時には、南北の検査場から伸びた列が交差してしまうほどでした
◆記者リポート
「福岡空港の保安検査場なんですが、検査員の数が少ないため、空港職員が手伝っています」
福岡空港で働く検査員は、コロナ禍前の6割以下。
感染の拡大で空港の利用客が一時は9割以上減ったため、検査員の4割以上が仕事を辞めたといいます。
ところが、去年10月に全国旅行支援が始まると、急速に需要が回復。
この年末年始の国内線の利用客はコロナ禍前を上回るほどでしたが、それに見合う検査員の確保が間に合わず、全部で16ある検査レーンを、一時は11レーンしか開けられないこともありました。
◆福岡国際空港 小林智子広報課長
「検査員の業務については資格が必要で、さらに経験が必要なので、検査員の数が確保できておらず、レーンが開けられていない」
こうした危機的な状況を解消するために開かれた合同説明会では、コロナ禍で不安視される航空業界のイメージを少しでも明るくしようと、ちょっとした「遊び心」も見られました。
◆記者リポート
「空港ということもあって、エントリーシートがまるで搭乗券のような形になっています」
説明会への来場者は566人。
社会が本格的にウィズコロナへと動き始めるなか、目標の500人を上回りました。
◆福岡国際空港 小林智子広報課長
「思いのほか、皆さんにお越しいただいていて、これが採用につながればと思う」
◆大学3年生
「最近ニュースで、航空業界が復活してきたと聞き、希望を持って参加した」
◆大学3年生
「(説明会で)話を聞いて思うのは、『(航空業界が)コロナだからちょっと危ない』というのは昔の話だと感じた」
保安検査を担う企業のブースでも。
◆「にしけい」(説明会の様子)
「(保安検査は)縁の下の力持ち」
多くの参加者が真剣に説明に聞き入っていました。
◆保安検査を担当「にしけい」 山中辰也さん
「待っている方もいるほど来てくださって、非常に嬉しく思っている。採用につなげて人員不足を解消し、航空安全に寄与していきたい」
◆川崎キャスター
「大野城市に来ています。ここでは観光バスの人手に関する現状を聞いてみたいと思います」
川崎キャスターが30日に訪ねたのは、観光バスの運行会社。
保有する約30台のバスのうち、稼働していたのはー。
◆家康コーポレーション 海江田司社長
「これが、きょうの予定表。あまり見せたくないが、きょうで10台弱、予約が入っている。ちなみに去年、おととしほぼゼロだった」
この会社は、もともと60人居た乗務員がコロナ禍で一時、半分以下に減りました。
国内の旅行客を中心に需要が戻りつつある今も、45人程度しか確保できていないため、ニーズに応えられない状況が続いています。
◆家康コーポレーション 海江田司社長
「バスはとまってるが、乗務員がいないからお断りせざるを得なかった。ずっとそれが3カ月間続いた。(人手不足で)100%安心して受託できないなと思うところはある」
この会社が、人手不足にさらに拍車がかかると危惧しているのが「インバウンド」、中でも中国人観光客の来日再開です。
博多港へのクルーズ船の寄港が相次いでいたコロナ禍前は、売り上げの約9割を訪日客が占めていたため、今後、インバウンドが本格的に復活すると、さらに需要に追いつかなくなると頭を抱えています。
◆家康コーポレーション 海江田司社長
「いまのままでは、慢性的に乗務員が足りなくなると思う」
常に募集はかけていますが、なかなか応募はありません。
燃料費などが高騰し、運行経費もかさむ中、乗務員の給与を上げるのも困難です。
一人でも多くの人材が業界に集まるよう、国の支援も必要ではないかと感じています。
◆家康コーポレーション 海江田司社長
「乗務員が免許を取るための補助や、スキルを上げるための研修についての費用負担を、少し国の方からお手伝いいただければありがたい。そうすれば乗務員になる人も増えるだろうし、乗務員の数も安定していくのではないか」
福岡空港では、即戦力を募る異例の就職説明会も開かれました。
◆受付スタッフ
「エントリーシートを1枚書いていただいて、回収いたしますので」
28日、福岡空港で行われた合同企業説明会。
様々な空港業務を担う企業14社が初めて一堂に会し、即戦力の獲得に乗り出しました。
異例の説明会の背景にあるのは、この年末年始に表面化した深刻な人手不足ー。
なかでも、利用客の利便性にまで支障が出ているのが、安全運航に欠かせない保安検査業務です。
◆保安検査を担当「にしけい」 山中辰也さん
「人員不足に関しては、今までとは次元が異なる現況。弊社でも重く受け止めている」
去年12月末、久々に行動制限のない年末年始を迎ていた福岡空港ー。
混み合う出発ロビーにできていたのは、保安検査の順番を待つ長蛇の列です。
国内線の保安検査場は北と南の2カ所にあり、それぞれの検査場は220メートル離れていますが、混雑のピーク時には、南北の検査場から伸びた列が交差してしまうほどでした
◆記者リポート
「福岡空港の保安検査場なんですが、検査員の数が少ないため、空港職員が手伝っています」
福岡空港で働く検査員は、コロナ禍前の6割以下。
感染の拡大で空港の利用客が一時は9割以上減ったため、検査員の4割以上が仕事を辞めたといいます。
ところが、去年10月に全国旅行支援が始まると、急速に需要が回復。
この年末年始の国内線の利用客はコロナ禍前を上回るほどでしたが、それに見合う検査員の確保が間に合わず、全部で16ある検査レーンを、一時は11レーンしか開けられないこともありました。
◆福岡国際空港 小林智子広報課長
「検査員の業務については資格が必要で、さらに経験が必要なので、検査員の数が確保できておらず、レーンが開けられていない」
こうした危機的な状況を解消するために開かれた合同説明会では、コロナ禍で不安視される航空業界のイメージを少しでも明るくしようと、ちょっとした「遊び心」も見られました。
◆記者リポート
「空港ということもあって、エントリーシートがまるで搭乗券のような形になっています」
説明会への来場者は566人。
社会が本格的にウィズコロナへと動き始めるなか、目標の500人を上回りました。
◆福岡国際空港 小林智子広報課長
「思いのほか、皆さんにお越しいただいていて、これが採用につながればと思う」
◆大学3年生
「最近ニュースで、航空業界が復活してきたと聞き、希望を持って参加した」
◆大学3年生
「(説明会で)話を聞いて思うのは、『(航空業界が)コロナだからちょっと危ない』というのは昔の話だと感じた」
保安検査を担う企業のブースでも。
◆「にしけい」(説明会の様子)
「(保安検査は)縁の下の力持ち」
多くの参加者が真剣に説明に聞き入っていました。
◆保安検査を担当「にしけい」 山中辰也さん
「待っている方もいるほど来てくださって、非常に嬉しく思っている。採用につなげて人員不足を解消し、航空安全に寄与していきたい」
◆川崎キャスター
「大野城市に来ています。ここでは観光バスの人手に関する現状を聞いてみたいと思います」
川崎キャスターが30日に訪ねたのは、観光バスの運行会社。
保有する約30台のバスのうち、稼働していたのはー。
◆家康コーポレーション 海江田司社長
「これが、きょうの予定表。あまり見せたくないが、きょうで10台弱、予約が入っている。ちなみに去年、おととしほぼゼロだった」
この会社は、もともと60人居た乗務員がコロナ禍で一時、半分以下に減りました。
国内の旅行客を中心に需要が戻りつつある今も、45人程度しか確保できていないため、ニーズに応えられない状況が続いています。
◆家康コーポレーション 海江田司社長
「バスはとまってるが、乗務員がいないからお断りせざるを得なかった。ずっとそれが3カ月間続いた。(人手不足で)100%安心して受託できないなと思うところはある」
この会社が、人手不足にさらに拍車がかかると危惧しているのが「インバウンド」、中でも中国人観光客の来日再開です。
博多港へのクルーズ船の寄港が相次いでいたコロナ禍前は、売り上げの約9割を訪日客が占めていたため、今後、インバウンドが本格的に復活すると、さらに需要に追いつかなくなると頭を抱えています。
◆家康コーポレーション 海江田司社長
「いまのままでは、慢性的に乗務員が足りなくなると思う」
常に募集はかけていますが、なかなか応募はありません。
燃料費などが高騰し、運行経費もかさむ中、乗務員の給与を上げるのも困難です。
一人でも多くの人材が業界に集まるよう、国の支援も必要ではないかと感じています。
◆家康コーポレーション 海江田司社長
「乗務員が免許を取るための補助や、スキルを上げるための研修についての費用負担を、少し国の方からお手伝いいただければありがたい。そうすれば乗務員になる人も増えるだろうし、乗務員の数も安定していくのではないか」
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