2024/03/11 16:00
工藤会トップに2審は無期懲役 1審の死刑を破棄 元漁協組合長射殺事件は無罪 福岡高裁判決
事件・事故
2024/03/12 10:00
4つの市民襲撃事件で殺人などの罪に問われ、1審で死刑判決を受けた特定危険指定暴力団・五代目工藤会トップの野村悟被告(77)と無期懲役の判決を受けたナンバー2の田上不美夫被告(67)について、福岡高裁は3月12日、野村被告に対して1審判決の一部を破棄し無期懲役判決を言い渡し、田上被告に対しては1審判決を支持し控訴を棄却しました。
1998年~2014年の市民襲撃4事件
1998年~2014年の市民襲撃4事件
工藤会トップで総裁の野村悟被告とナンバー2で会長の田上不美夫被告の2人は、元漁協組合長射殺事件(1998年)、福岡県警元警部銃撃事件(2012年)、看護師刺傷事件(2013年)、歯科医師刺傷事件(2014年)の4つの市民襲撃事件で、殺人や組織犯罪処罰法違反などの罪に問われていました。
1審は野村被告に死刑、田上被告に無期懲役
1審は野村被告に死刑、田上被告に無期懲役
事件への2人の関与を示す直接的な証拠がなく、指揮命令の有無が最大の争点となる中、1審で2人は事件への関与を全面的に否認しましたが、2021年8月、福岡地裁の足立勉裁判長は判決に39回の“推認”を用いて、野村被告が4事件に「首謀者として関与した」と認定し、野村被告に死刑、田上被告に無期懲役を言い渡しました。
その後、2人は判決を不服として控訴していました。
2審では一転、田上被告が事件への関与認める
その後、2人は判決を不服として控訴していました。
2審では一転、田上被告が事件への関与認める
2023年9月から始まった控訴審では、関与を否認していた田上被告が一転して、看護師刺傷事件と歯科医師刺傷事件について、当時組織ナンバー3の菊地敬吾被告に“独断で犯行を指示した”と主張を変えました。
また弁護側は、福岡県警元警部銃撃事件については菊地被告が個人的な恨みから銃撃を指示したと主張、元漁協組合長射殺事件については工藤会の元幹部たちが独断で実行したと主張しました。
また弁護側は、福岡県警元警部銃撃事件については菊地被告が個人的な恨みから銃撃を指示したと主張、元漁協組合長射殺事件については工藤会の元幹部たちが独断で実行したと主張しました。
その上で弁護側は、野村被告は「4つの事件に関してはいずれも無罪にして無実」と主張、田上被告に関しては「未必の殺意はなく組織的殺人未遂罪は成立せず傷害罪にとどまる」とし、「推認に基づき共謀と殺意を認めた1審判決は破棄されるべき」と述べました。
一方、検察側は「控訴には理由がなく、被告らの証言は信用できない」などと主張しました。
福岡高裁 1審の「死刑」を破棄
一方、検察側は「控訴には理由がなく、被告らの証言は信用できない」などと主張しました。
福岡高裁 1審の「死刑」を破棄
3月12日午前10時から始まった控訴審判決で、福岡高裁は野村被告に対し、4事件のうち元漁協組合長射殺事件について無罪と認定。
理由について、実行犯となった1998年ごろの工藤連合および3代目田中組の意思決定のあり方が不明で、「野村被告の指示がないと犯行が実行されない組織であったということはできない」と述べ、「共謀を認定した1審判決は論理則・経験則に照らし是認できない」として、残る3事件は有罪とした上で、無期懲役判決を言い渡しました。
一方、田上被告に対しては控訴を棄却し、1審を支持して無期懲役としました。
判決を受けて弁護側は即日上告していて、福岡高検は「判決内容を十分に精査し適切に対応したい」としています。
理由について、実行犯となった1998年ごろの工藤連合および3代目田中組の意思決定のあり方が不明で、「野村被告の指示がないと犯行が実行されない組織であったということはできない」と述べ、「共謀を認定した1審判決は論理則・経験則に照らし是認できない」として、残る3事件は有罪とした上で、無期懲役判決を言い渡しました。
一方、田上被告に対しては控訴を棄却し、1審を支持して無期懲役としました。
判決を受けて弁護側は即日上告していて、福岡高検は「判決内容を十分に精査し適切に対応したい」としています。
最新
BREAKING NEWS