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ソフトバンクに最後の試練…オリに3連敗でまた0差 小久保2軍監督が経験した「歴史的大混戦」の戦い方は

ホークス

2022/09/20 10:50

 2年ぶりの優勝を目指すソフトバンクに最後の試練が訪れた。優勝へのマジックナンバーを「9」として17日から臨んだ2位オリックスと今季最後の直接対決3連戦で悪夢の3タテ。ゲーム差は再び0となり、数字の上ではまだ有利ながら背後に迫るオリックスの勢いを感じながら残り10試合を戦うことになった。

 パ・リーグはまさに激動の1週間だった。11日の時点でソフトバンク、西武、オリックスの上位3チームがゲーム差0。どこが抜け出すか見えない状況だったが、12日から首位ソフトバンクが2位西武に3連勝。この時点で西武がやや脱落した。さらにソフトバンクは15日の楽天戦に勝ってマジック「11」が点灯、連勝を6に伸ばした16日には「9」に減らした。迎えたオリックス3連戦では3連敗さえしなければ優勝へ大前進...という流れだったが、最悪のシナリオで再び混戦にのみこまれた。

 残り試合数はソフトバンクが10、オリックスが6。直接対決はもうないとはいえ、オリックスは20日のロッテ戦が終われば一度も2連戦以上がなく余裕を持ってライバルに圧力をかけ続けることができる。ソフトバンクは20日の試合結果次第でマジックが消滅。残り試合数、日程の関係で最短優勝日は現時点でオリックスの方が1日早い26日で、最後の最後まで目が離せない展開となった。

 プロ野球で100試合以上消化して上位3球団がゲーム差0となったシーズンは2001、10年のパ・リーグ以来で今年が3度目。ソフトバンクは01年が2位(当時ダイエー)、10年は優勝でフィニッシュしたが、この両方を主力として経験したのが小久保2軍監督だった。「歴史的」と表現される混戦の中で、選手たちはどんな心理状態で戦っているのか。小久保2軍監督は当時を振り返りながら語った。

 「僕はもうあの時、結構ベテランの域だったので。どうせなら人の記憶に残る打席の方が、凡退しても打ってもツーアウトランナーなしよりはいいみたいな、そういう心境でワクワクしていました。それはたぶん、ベテランだったからかもしれないけど、もうそろそろ辞めようかという時期に、誰も見ていない、興味のない打席に立つよりは、そういうみんなに注目される打席の方が、どっちに結果が出てもというぐらいの心境になれば、毎日早く試合が来いという気になります。怖くはないですね。そういう選手、主力がソフトバンクには多いので、いま優勝争いしているのでは」

 小久保2軍監督は01年が30歳シーズン、10年は39歳シーズン。このうち10年は残り6試合で首位西武に3・5ゲーム差をつけられながら最後の直接対決3連戦で自身のサヨナラ弾もあり3連勝。劇的な逆転優勝を飾った。まさにベテランの力でチームを頂点に導いたが、若手はどう向き合えばいいのだろうか。

 「若手は逆に当たって砕けろというところ。正木なんかいま、左ピッチャーの時にスタメンででドキドキしながら出てると思うけど、これはもう、当たって砕けろでやっていったらいいと思います。誰にも注目されないより、全然いい。これは僕の立場だから言えることで、藤本監督が聞いたら怒るかもしれないですけど、それくらいファンを引きつける戦いをしているということ」

 優勝できるかどうかのしびれる戦いを味わえるのも限られたチームのみ。パ・リーグ6球団で唯一開幕からBクラスに落ちることなく首位争いを引っ張ってきたソフトバンクは今、もっとも優勝へ近い位置にいるのは確かで、いかに前向きにグラウンドに立てるかも重要になりそうだ。昨年のBクラスから頂点に返り咲けるか。待ちわびた歓喜のフィナーレに向かって”最後の戦い”に臨む。

 (TNC「福岡NEWSファイルCUBE」・YouTube「ももスポチャンネル」より)

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