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卵じゃなくてコーン!? 名物駅弁「かしわめし」ピンチ 「卵5グラム減」「同じ黄色で」 老舗が苦肉の策

暮らし

2023/04/14 18:15

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春の旅行シーズンが近づいていますが、楽しみな「旅の味覚」にも卵不足が直撃しています。

そのひとつが、全国にも知られた名物駅弁「かしわめし」。

無くてはならない錦糸卵がピンチです。
◆リポーター
「こちら折尾名物のかしわめしです。根強い人気のこのお弁当が今、ピンチに陥っているんです」

北九州を代表する駅弁として100年以上にわたって親しまれてきた折尾駅の「かしわめし」。

鶏のスープの炊き込みご飯に乗った甘辛い「かしわ」と「海苔」。

黄色い「錦糸卵」が華を添えます。

名物駅弁の彩りにも欠かせないこの錦糸卵が、いま、深刻な事態に直面しています。

◆東筑軒 総務部 佐竹良太さん
「メーカーから『卵の供給が難しい』ということで、前年に比べて錦糸卵の入荷が3割ほど減っている」

JA全農たまごのまとめによると、福岡地区の3月時点の平均卸売価格は1キロあたり345円と、前年の2倍近くに上がっています。

卵の高値は当面続くと見られるため、東筑軒は「苦渋の決断」を強いられました。

卵不足で入荷が減った錦糸卵を少しでも「節約」できるよう、これまでたっぷり山盛りだった盛り付けを約5グラム減らしたのです。

◆東筑軒 総務部 佐竹良太さん
「『3色』があってのかしわめしだと思いますので、錦糸卵が減るというのはこちらとしても大変心苦しい部分はあります」
減らすだけでは長年のファンに申し訳が立たないと、こんな対策も講じています。

◆東筑軒 総務部 佐竹良太さん
「錦糸卵が減る代わりに、かしわ肉やノリを少し多めにして、お客さんになるべく満足感を残せるように努力しています」

◆来店客
「錦糸卵が減っても、味はいいから大丈夫です」

◆来店客
「仕方がないよね。(錦糸卵が減っても)やっぱり買うでしょうね。ノリとか、かしわとか入ってるから」

企業努力を続ける老舗の『東筑軒』ですが、鳥インフルエンザの影響はかしわめしの命といえる「鶏肉」にも及ぶことが懸念されています。

◆東筑軒 総務部 佐竹良太さん
「鶏肉も現在、国産の方を使わせていただいているんですけど、鶏インフルエンザの影響で仕入れが厳しくなってきているので、場合によっては今後考えていかないといけないのかなと思います」
一方こちらも、「かしわめし」が名物の佐賀県鳥栖市の老舗『中央軒』です。

大正2年、1913年に販売が始まった鳥栖駅の「かしわめし」は、地名の由来と言われる「鳥」のかしわに、有明産の刻みノリ、そして「錦糸卵」が変わらないスタイルですが、卵不足の影響はこちらでも深刻です。

◆中央軒 児玉隆二 社長
「かしわめしに使う錦糸卵の使用量を『前年の3割ぐらい減らして下さい』と(仕入れ先から)要請がきてます」
卵不足解消の目処も立たない中、中央軒は、名物のかしわめしを守る苦肉の策として、こんな「新商品」を開発しました。

◆リポーター
「こちらお弁当のふたを開けると、錦糸卵の代わりにコーンが入っています」

4月8日から販売を始めた新商品、その名も「錦糸卵が無くなった場合のかしわめし」です。

本来であれば、錦糸卵があるところに同じ黄色のコーンをたっぷり盛り付けています。

伝統のかしわめしのレシピを変更したのは、創業以来初めてのことでした。

◆中央軒 児玉隆二 社長
「たまたま居酒屋でバターコーンを食べていて、それ(新商品)をちょっと考えているときに思い出して、『コーンっておいしいな』『色も黄色だな』と思って」

早速、卵不足対応の「コーンかしわめし」をいただいてみると-。

◆リポーター
「コーンのプチプチとした食感がいいですね。甘みもあってかしわご飯とよく合います。とてもおいしいです」

中央軒の「錦糸卵が無くなった場合のかしわめし」は、佐賀県鳥栖市の本社やJR鳥栖駅などで1日約50食が販売されています。
また、従来のかしわめしも今のところ通常通り販売されています。

◆来店客
「卵がいま高いから、いろんなところを研究して代わりになるもの探されているんだなと。おもしろいですよね」

◆中央軒 児玉隆二 社長
「みんなが卵に困っている状況なので、ここでへこんでも仕方が無いことなので、前向きに明るくいこうかなと」

世界的な鳥インフルエンザの流行で、長期化の様相を見せている「卵不足」。

駅弁業界はさまざまな工夫と努力で難局を乗り切ろうとしています。

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